アドバンスドトライミックスダイバー


ボトムミックスとして、酸素・窒素・ヘリウムをブレンドしたトライミックスガスを効果的に使用し、浮上時にEAN50及び純酸素を併用した加速減圧を行うための理論と手順、技術を習得するコースです。

このコースの海洋実習は水深55m−100mの間で行われ、使用するボトムガスには酸素割合が18%未満の、水面での呼吸に適さないガスが含まれます。従って、潜降時にはボトムガス以外のガスを使い、潜降の過程で呼吸ガスをボトムガスに交換するという手順が加わることになります。

大深度潜水のリスクとリスクに対する対応や、大深度下でのトラブルへの対応法を提供するだけでなく、呼吸ガスとしてのトライミックスの特性、使用のリスク及びリスクへの対応法、必要となるガスの構成に対する考え方とその扱いの手順等が講習内容に含まれます。

ミニマム8時間のレクチャーと、ストレストレーニング及び3本のステージボトルの扱い方を習得するためのミニマム1日のコンファインドウオータートレーニング、ミニマム3日間の海洋実習が基本スケジュールとなります。

■参加条件
  ・エクステンドレンジダイバー、あるいはトライミックスダイバーの
  認定(あるいは他団体の同等クラスの認定)
  ・最低100ダイブのダイブキャリア。内25ダイブ以上は最大水深30m以上の
  ダイビングであること
  ・18歳以上
  ・TDI指定のメディカルチェックリスト上問題がないこと

■講習内容:別ウインドウで紹介
■必要器材:別ウインドウで紹介
■必要時間:ミニマム4日間
■費用:¥188,200ヘリウムガスの代金は含まず/以下内訳)
  ・コースフィー¥65,000(教材費含む)
  ・プール(コンファインドウォーター)実習費 ¥24,000
  ・海洋実習費(3日間・5トライミックスダイブ) ¥95,000
  ※ヘリウムガスの代金は別途請求となります
  ・申請料 ¥4,200


※原則2名様からの開催となります。
  (マンツーマンでの開催に関してはご相談下さい)
※最低日数で講習が終了しない場合は別途補講費が必要となります。
  (補講費用は実費+¥20,000/1日となります)
※現地までの交通費、食費、宿泊費は含みません。
※ボートダイビングをご希望の場合は別途ボート代実費が必要となります。
※海外・沖縄・小笠原等遠隔地での実習には別途旅費が必要となります。
※このコースでは器材の構成が一つの重要なテーマとなりますから、
  必要器材は全て御自身で専用器材を御用意願います。
※器材選択に関してはインストラクターにご相談下さい。


*関東でレクチャーとコンファインドウオータートレーニングまでを終え、
  ガス代が安くかつ渡航費・滞在費もリーズナブルな海外で海洋実習を
  行うスタイル、ガス代の安い小笠原で海洋実習を行うスタイルも積極的
  に行っております。


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ヘリウムガスの代金

ヘリウムガスの代金は講習終了時に現地で精算致します。金額は、現地のヘリウムガスの価格とガスの使用量によって変化しますが、以下にエリア別の目安となる価格を提示させていただきますので、参考にして下さい。

国内開催の場合(トライミックスタンクの代金となります) :¥180,000程度
サイパン開催の場合 : ¥150,000程度
フィリピン開催の場合:  ¥70,000程度
小笠原開催の場合  :  ¥70,000程度

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講習内容

●レクチャー
 1)物理学
   A:圧力復習
 2)生理学
   A:低酸素症
   B:酸素中毒(全身・中枢神経)
   C:ナコーシス
   D:窒素とヘリウムの吸収と排出
   E:二酸化炭素中毒
   F:一酸化炭素中毒
   G:ヘリウム(HPNS・呼吸・保温)
   H:等圧逆方向拡散
   I :高体温症
   J:低体温症
 3)減圧の選択肢(エア・ナイトロックス・酸素・ヘリウム)
 4)器材に関する考察
   A:タンクのオプリション
   B:ステージタンクのオプション
   C:スーツ・インフレーションのオプション
   D:レギュレーターのオプション
   E:ハーネス・BCのオプション
   F:コンピューター/水深計/ボトムタイマーのオプション
   G:浮上とナビゲーションのリール
   H:リフトバック/サーフェスマーカーブイ(DAM)
   I :ライト(プライマリー・バックアップ)
   J:バックアップ器材(マスク・カッティングディバイス)
   K:ジョンライン
 5)ダイブテーブル
   A:減圧ソフト
   B:DCIEMヘリオックステーブル又は市販のテーブル
 6)ダイブ計画
   A:オペレーション(サポート・チーム)
   B:チーム計画(ガスマネージメント・マッチング・酸素/窒素限界)
   C:緊急計画(減圧失敗・酸素中毒・分析とログ・一般的な問題)
 7)手順
   A:ボトム・トラベル・減圧ガス(ノーマルオペレーション・トラブル時
     分析とログ)


●陸上ドリル
 1)基本と中級のハンドシグナルのデモ
 2)減圧義務と仮想OH環境に適した器材の選択と準備
 3)リフトバックの配置とガス交換手順の為のチーム間ドリル
 4)バディ救助ドリル
 5)使用されるガスミックスの適切な分析とラベリング

●ダイブ前ドリル
 1)全てのダイビング前にはSTART(※)を使ってチェック
 2)ストレスの分析とその低減
 3)正しいダイブ前計画の提示
   A:個人やチームのガス消費に基づいた限界(ガスマッチング)
   B:計画水深での実際の混合における酸素暴露限界
   C:計画水深での実際の混合における窒素吸収に基づく限界
※)STARTとはSdrill、Teamの器材チェック、Air(ガスマッチング)、Route
   (EN/EXと水中コースの確認)、Tables(深度、時間、ポイント、スケジュール)

●水中ドリル(コンファインドウォーターでの確認後海洋実習)
 1)コミュニケーションを通し、バディ・チーム間で配慮の意思を示す
 2)一定水深を維持して一定の時間泳ぐ(RMVの測定)
 3)一定の水深・位置を保ちながら複数のステージボトルの廃棄と回収の
   能力をデモする
 4)複数のステージボトルの取り扱いと呼吸源の切り替えのデモを行う
 5)一定の水深・位置を保ちながらバディ・チーム間におけるガスのシェアの
   能力をデモする。問題がなければエアをシェアした状態でリフトバックの
   打ち上げと浮上をデモする
 6)完璧な中性浮力とトリムのデモを行う
 7)完璧なコントロール浮上をデモする(6m/min、1m/min)
 8)リフトバックによる浮力コントロールの能力をデモする
 9)チーム内の1人がマスクをなくした状態でエアをシェアしながら浮上
   する能力をデモする
 10)減圧ガスを無くした場合の臨時の減圧スケジュールを作る
 11)中毒ダイバーを浮上させ、水面で30m以上の曳航した後、器材を
   除去する能力をデモする
 12)水深20mで、呼吸と視界を無くした状態で水平に泳ぐ
 13)潜水計画に則したダイビングを行う
 14)正しいナビゲーションテクニックをデモする
 15)2回のダイブでリールとDAMを使った浮上と段階減圧をデモする
 16)バルブシャットダウンドリル(水深40mより深い水深で行う)
 17)不利な条件の中で複数の故障に対応する能力をデモする


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必要器材

●ボトムミックスタンク(現地レンタル)
 ・計画されたボトムミックスの減圧を完了するのに適した容量
 ・デュアルバルブ、ダブルマニホールド
 ・TDI基準に則したラベリングがしてあること
●減圧ミックスタンク(純酸素用・EAN50用の2本/レンタル可)
 ・タンク容量は必要な減圧に対応するガス量の1.5倍以上であること
 ・TDI基準に則したラベリングがしてあること
●インターミディエイトミックスタンク(レンタル可)
 ・タンク容量は必要な減圧に対応するガス量の1.5倍以上であること
 ・TDI基準に則したラベリングがしてあること
●スーツインフレーションタンク(ドライスーツ使用時)
●レギュレーター(ボトムタンク用2台・減圧用1台・中間ガス用1台)
 ※減圧用の2つのレギュレーターは酸素対応であること
 ・ボトムミックスタンクにはプライマリーとバックアップのレギュレーター
 ・全てのプライマリー/ボトムミックス・インターミディエイト・デコタンクには
  残圧計が必要
 ・プライマリーレギュレーターには7インチ程度のロングホース
 ・5台のレギュレーターはDIN又はYokeで統一
●器材構成に適したBC
●フィン・マスク・ブーツ(ウエットスーツの場合)
●環境に適した保温スーツ
●バックアップのマスク
●予備の水深計とダイバーズウオッチ、ボトムタイマー
●水深計及び時計として使用可能なダイブコンピューター
●現場に必要であればライトシステムとバックアップライト
●DAMあるいはリフトバック(23kg以上の浮力が必要)
●バッアップのDAM
●リール(計画された水深に適したライン長)
●バックアップのリール
●カッティングディバイス(2個以上)
●スレート又はノート
●酸素・ヘリウムアナライザー(インストラクターの提供でも可)


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